お手軽、超軽、山岳部レシピ

山岳部では、衣・食・住をすべて背負って行動します。その中でも、「食」は最も重要な要素であり、楽しみでもあります。山では他の学校の山岳部にも会いますが、個人個人がそれぞれの器具でお湯を沸かして、カップ麺やレトルト食品を食べているケースも珍しくありません。しかし、せっかく仲間とともに山を登ってきたのだから、「ひとつ同じ釜の飯を食う」というのが、本校山岳部の特徴です。皆で大鍋を料理するのです。
そこで、この夏合宿で食したメニューを一部紹介します。
基本的に、煮炊きする道具はすべて持っていきますが、夏の長期山行では持っていく食材はある程度限定されます。
鮮魚や肉類は傷んでしまうので持っていけません。また、缶づめ、びんづめの類は重量に跳ね返ってきますから、むやみやたらに持っていけません。そこで、軽くて、日持ちするもので、うまいものを作るという命題が課され、いろいろと工夫することになるのです。

メニューNo.1 乾物パエリヤ
アウトドア料理では、よくパエリヤが作られるみたいです。でも、普段家にいる時もパエリヤは作られているんでしょうか?なんか、ちょっと不思議です。
さて、山岳部のパエリヤは魚介類に乾物を使います。つまり、軽くて、日持ちする材料なのです。
材料
米・バター・コンソメスープのもと・サフラン・にんにく・たまねぎ・にんじん・おつまみのいかのくんせい(薄いリング状のやつ)・あさりのむき身のおつまみ(なければ貝ひもでも可)・さいころ状のツナのおつまみ(金・銀の紙に包まれているやつ)・桜エビ・レモン
作り方
1.鍋にバターを入れて溶かし、にんにく、たまねぎのみじん切りをいため、そこに米(洗わない)も入れてしばらくいためる。
2.米の分量に応じた水の量でコンソメスープを作り、そこにサフランを入れて色を出す。
3.2のスープを1の鍋に入れ、にんじんのみじん切りと魚介類のおつまみも鍋に投入し、軽く混ぜ合わせたら火にかける。
4.あとは、アウトドアで飯を炊く要領で行い、グツグツと激しい音が鍋からおさまったら火を止め、15分ほど蒸らしてできあがり。具をよく混ぜ合わせて、軽くレモン汁をかけて召し上がれ。


メニューNo.2 手巻き寿司
手巻き寿司は、不思議とご飯が進んでしまいます。海苔の上には、少なめにご飯を盛るのがうまく巻くコツです。やはり生魚が使えないので、マグロの代わりアボカドを使いました。
材料
米・すし飯の素・梅干し・キュウリ・味噌・しば漬けなどの漬け物・たくあん・カニかまぼこ・卵焼き・アボカド・わさび(粉わさびで可。本わさびが現地調達できたら贅沢。)
作り方
1.米を炊き、熱いうちにすし飯の素を振りかけ、うちわなどであおいでさましながら、よく混ぜる。もちろん、酢、塩、砂糖で酢飯を作ってよいが、酢を小分けにしてビンに詰めるのが面倒だったりするので、すし飯の素を使った。
2.梅干しは種を取り、梅肉だけを包丁でたたきペースト状にする。キュウリを細長く切り、好みによって梅肉か味噌をつけて手巻き寿司の具にする。
3.アボカドは種のところでナイフの刃が止まるから、そのままくるっと身の部分を切って半分にする。スプーンで身の部分をすくい取って、コッヘルに盛っておく。よく熟れたアボカドを使うこと。
4.たくあん、カニかまぼこも細長く切る。すべての具をコッヘルに分けて準備する。
5.のりを半分に切って、あとはめいめい適量のご飯を盛って好みの具を巻いて食べる。アボカドは魚の刺身同様の扱い。わさびをつける。あっという間にご飯がなくなる。

手巻きの具



メニューNo.3 麻婆豆腐

豆腐は水につかっていてザックの中に入れにくいし、数が増えれば重たいので、高野(凍り)豆腐を使いました。     
材料
高野豆腐・麻婆豆腐の素・乾燥ネギ
作り方
1.高野豆腐を煮てもどす。だしがついているものは、それを使わず豆腐だけをもどす。
2.人数分の麻婆豆腐の素を作り、温める。豆板醤や甜麺醤、オイスターソースなどの調味料をブレンドして作る方法もあるが、持ち運びが面倒なので、レトルトの具を使う。そのまま温めるだけでよいものや、水を加えて温めるものがある。
3.1の高野豆腐をさいの目に切り、2の麻婆だれの中に投入。さらに乾燥ネギを入れて一回煮立たせて完成。
ご飯にかけて麻婆丼にするのがよいが、スパゲッティやうどん、そうめんにかけてもよし。
高野豆腐はもどす前に切っておいてもよいが、固く、またもどった時は思いのほかふくらむので、もどした後に小さく切る方がよい。高野豆腐は松本駅のキヨスクでも売られていたから、北アルプスに行く場合は、急に思い立ってメニューの一品に加えることが可能。とにかく軽い。

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