山岳部Q&A

Q:日々の活動はどのようなものですか?

A:他のクラブのように、週に何日という定期的な活動はありません。山行の前後に準備や後片付けがあります。テントやシュラフ(寝袋)干し、食材の買い出し、共同装備の分担とパッキングなどです。ただし、山行時の食事メニューを研究したり、夏合宿で難易度の高い山をぜひ登りたいというような場合は、随時ミーティングを開いたり、日ごろからトレーニングを積む必要があります。

Q:年間の活動はどのようなものですか?

A:このホームページで紹介しているとおりです。5月の新歓から始まり、6月山行、7月歩荷、8月合宿、9月文化祭、11月山行、2月山行というところです。

Q:学業と両立できますか?

A:上で述べたように、日常的に疲れるほどの活動はありませんから、学業に支障が出ることはまずありません。山行は土、日曜に行われます。OB・OGが優秀な人たちで、山行や合宿に同行してくれるので、勉強のことや進路のことを相談することができます。

Q:お金はかかりますか?

A:山に行くことが主な活動ですが、すぐ近くに山があるわけではありませんから、そこに行くまでの交通費がかかります。日帰りの山行で、交通費、食費、雑費込みで5000円、1泊の山行(新歓・歩荷)で10000円、5泊6日の夏合宿で30000円ほどかかります。ただ、他の運動部でも、練習試合や大会で相手校や外部の会場に1回出かけたりすると、交通費が1000円程度はかかってしまうのがふつうです。夏合宿は衣食住すべてを自分たちでまかなうため、他の運動部より10000円は安くなっています。年間をトータルすると、一般的な運動部とほとんど変わらないか、それより安いのではないかと思われます。

Q:いろいろな道具が必要なのではないですか?

A:上の費用のことに関連してきますが、基本的に山行に必要な道具(テント・シュラフ・ザック・調理器具など)は、すべてクラブの備品でそろっていますから、個人で用意する必要はありません。したがって、何の準備もなく山岳部の活動に参加することは可能ですが、より安全、快適に活動するために、登山用の靴とレインウエアーだけは個人で用意することを勧めます。靴は本格的な登山靴でなく、トレッキングシューズとして売っている程度のものでかまいません。山ではぬかるみや岩場がありますから、防水性に優れたものや、靴底がしっかりしたものがいいでしょう。天気のよい日帰りの山行ではスニーカーでも問題ありませんが、悪天で靴中に水が入って靴下が濡れたりすれば不快ですし、靴底がしっかり地面をグリップしなければ滑って危険です。山を登ること以外の心配事は疲労を増すことになります。もっとも、サンダルで山に登ったりする強者のOBがいるので、その気になれば道具を選ばなくてもよいのですが、決してお勧めできることではありません。レインウエアーも同じです。山行の途中で雨が降っても、そこで行動をやめるわけにはいきませんから、レインウエアーを着ての行動となります。雨が降ればただでさえ不快ですが、その不快さを増やさないためにはしっかりしたレインウエアーがほしいところです。「しっかりした」というのは、白っぽい一枚のビニールでできた、いわゆる「雨ガッパ」というのではまずいということです。防水性に加え、浸湿性(ウエアー内部の水蒸気が外に出て行って、中が蒸れない)がある素材でできたものを勧めます。
 靴もレインウエアーも値段は上を見るときりがありませんが、靴は7800円〜、レインウエアーは5800円〜、この程度からしっかりしたものがあるようです。これも他の運動部がユニフォームや専用シューズをそろえるのと同等か、それより安いと思われます。

Q:危険ではありませんか?

A:遭難の危険がある冬山登山はやりません。また、合宿も含めて、登山道が整備されているルートを、40〜50分歩いては休憩するというペースで行動しますから、危険なことはありません。また、訪れる山々では、最近のブームから中高年の男女の登山者に非常に多く出会いますから、そのような年代の方々でも安全に楽しめるルートであり、特別な山を登っているわけではありません。山登りと冒険は違います。ただし、油断大敵。気を抜かず無理をしない行動を心がけています。また、集団行動をしていますから、まず心配はないのですが、ルールを無視して単独行動をしたりルートをはずれたりするとこの限りではありません。

Q:運動神経がよくないのですが、大丈夫ですか?

A:一般的な運動部系クラブで求められる個人の運動能力は、瞬発性だったり、持久力だったりします。これらを、ふつう運動神経と考えるのでしょう。山岳部では、こうした能力もあればそれなりに活用できるでしょうが、なくてもたいして困ることはありません。基本的には荷物を背負って山を「歩く」ことができればよいのです。強いて言えば、歩くための筋力が必要かもしれません。駅などで、エスカレーターを使わず階段で上り下りをすることを心がけたりして、普段から歩く習慣をつけておけばいいでしょう。

Q:荷物は重たいですか。

A:重たいです。男子で20〜30s、女子で15〜20sというところ(日帰り山行はもっと軽い)ですが、普段私たちはそんな重さを背負って生活しているわけではありません。したがって、慣れるまでは非常に重く感じます。しかし、ある程度経験して慣れてくると、それほど重く感じなくなります。今のザックはとても背負いやすくできていて、重さの負担が身体にかかりにくくなっていますから、ザックの背負い方などがわかってくると、割と楽に重いものを背負えるようになるのです。また、同じ重さでも、ザックへの荷物の積め方次第で重さのバランスが変わってきますから、軽く感じさせる工夫ができます。また、重さのほとんどは水と食料なので、行程の経過とともにそれらが減って軽くなっていきます。出発したてのまだ体力があるうちは重く、疲れていくにしたがって軽くなるようになっています。
 尾瀬の歩荷を仕事にする人は、80sを一人で運ぶといいます。しかし、そういう人たちは決して筋肉質の大男ではありません。経験を通して、重さを感じないで背負って運ぶコツを身につけ、重さになれているものと思われます。

Q:女の子でも、活動に耐えられますか。

A:もちろん大丈夫です。女子部員やOGが実際に頑張っています。男子との体力差を考えて、荷物は男子より軽くなります。山では日焼けに気をつけたり、合宿中は最終日までお風呂に入れない(山にはお風呂そのものがないのです)ことが、女子ゆえに気になるところでしょうが、そういう点さえ自分の気持ちでOKなら問題ありません。女子だからといって、あの山の素晴らしい景色や高原の花畑の様子を経験するのをあきらめてしまうのはもったいなく、不合理なことです。なお、合宿も含めて、山行では必ず地元の温泉に入ります。汗のにおいを残したまま帰りの電車に乗ることはありませんから、ご安心を。

Q:山岳部は運動部ということは、公式戦や大会があるのですか。

A:高校体育連盟(高体連)の組織に山岳の部門もあり、大会が行われています。しかし、これは山岳をスポーツ競技としてとらえたもので、たとえば、5分以内でチームが適切にテントを張るとか、決められた一定時間に模範的な服装でチェックポイントを通過するとかいうことを競うもので、山そのものを愛し、山に行くことによって多くのことを学ぼうとする本来の山岳部のあり方とは主旨が異なるように思います。したがって、両国高校の山岳部はそうした大会には参加していません。少なくともそうした大会に参加しなくても、得るもの、学ぶことが多い山行を行っているつもりです。

inserted by FC2 system