両国高校を目指す中学生の皆さんへ

― 一緒に山に行きましょう ―

 

 うわさには聞いているかもしれませんが、両国高校は勉強が厳しい学校です。ハイレベルな内容の授業が、中学校では経験しなかったスピードで進んでいきます。定期試験の問題も難しいです。でも、そうした環境の中で生活していくことによって、自分が高められ、自分の将来の進路希望さえ実現可能となっていくのです。両国高校の進学実績は、このような下で作り上げられているのです。

 こんな両国高校の生活は、山登りにたとえられます。いや、本当は人生そのものがそうだと言った方がいいかもしれません。両国高校に入学したら、いきなり勉強が厳しくなった。自分はこの先ついていけるのだろうか? でも、その先には自分の将来の夢がある。実現できるだろうか? そういう状況は、重い荷物を背負って、登山道の入り口に立つ時に似ています。肩にくい込む荷物の重さ。これから行く道は平坦ではない。目指す頂上はここからは見えない、はるか先にある。頂上まで、果たしてたどり着けるのだろうか?

 そんな思いをいつも感じながら、でも私たちは必ず頂上にたどり着き、また、いくつもの峰を越えて縦走を遂げてきました。これは、それぞれの山行のページで紹介したとおりです。なぜ、こういうことができたのか? それは、どんなにゆっくりでも、一歩一歩前に進んだからです。重い荷物を背負ったら、走るのはもちろん、普通のぺースでさえ歩けません。ものすごくゆっくりペースです。そして、40〜50分歩いたら、しばらく休憩をとります。そして、また歩きます。つまり、どんなにゆっくりでも、そして途中立ち止まることはあっても、一歩も後退はしていないのです。進んでさえいれば、最初は見えなかった頂上もいつかは見えてきて、そしてたどり着くのです。

 両国高校の生活も、まさにそれと同じです。即効力を求めてはいけません。頂上が見えないからといって、いきなりダッシュしてはいけません。すぐにへばってしまいます。最初はとまどい、あせる気持ちになるでしょうが、落ち着いて、その時その時の自分をとらえ(自分は今、山のどの辺りにいるのだろうかと地図を見る。=自分の今の理解状態はどうだろうか。何がわかっていて、何がわからないのだろうか。)、そして、適切な道をゆっくりでいいから前進していく(わからないところを一つ一つつぶしていく)のです。そうすれば、必ず頂上は見えてきます。

 山岳部というクラブは、ふつうは中学校にはないでしょう。中学時代に経験したクラブを高校でも続けたいという人もいるでしょう。また、高校で、新たなクラブに挑戦したいという人もいるはずです。そうしたときに目がいきやすいのが、いわゆる一般的な、日々グランドや体育館、校舎内で練習している様子が見えるクラブです。山岳部は山に登ることが活動の主体ですから、日々の活動は校内ではほとんど目立ちません。したがって、その存在を忘れられがちになってしまいます。しかし、いったん山岳部の活動に参加すれば、きっと人生観が変わります。それは、山に行き、山を見ることによるものが大きいですが、山に行くまでの準備や工夫、活動のすべてによるものと考えていいでしょう。もちろん、山岳部以外のクラブ活動でも、継続して続ければ必ず得るものがあります。ただ、山岳部から得るものは、何かもっと次元の違うもの、スケールの大きなもののような気がします。大自然の中で自分に正直に向き合い、自分を考える。精神的な成長を遂げることはまちがいなく、それは、その後の自分の人生に大きく影響するはずです。

 これを見ている中学生の皆さん。ぜひ、両国高校にいらっしゃい。そして、山岳部に入って一緒に山に行きましょう。自分自身のスケールを大きくしましょう。
 今、受験のプレッシャーを感じている人もいるでしょうが、それも先ほどの山登り的な考え方です。迷わず前進するのみです。決して後退してはいけません。そうすれば、きっと頂上は見えてきます。皆さんの健闘を祈っています。一緒に山に行きましょう!

山岳部Q&Aへ

inserted by FC2 system