上高地バスターミナルを降り立つとすごい人混み。いまだ上高地人気は衰えず。給水と準備体操をすませて、早々に上高地をあとにします。河童橋の上でお約束の一枚。背後にはガスがかかって、穂高の雄姿は拝めません。
 1ピッチで明神に到着。ここまでは上高地からの散策の人たちで、道中かなりにぎやかです。
 明神から徳沢に向かいます。ここから先はたいてい登山目的になるので、道行く人も少し減ってきます。
 徳沢園の広い芝生のサイトに今夜の我が家を確保します。下がフワフワの芝生のため、今夜はロールマットは不要です。
 今夜の夕食は中華丼とスープ。初日なので肉がふんだんに食えます。例によって1sの肉を使いました。
 肉のほかに野菜、シーフード、ウズラの卵も入ってなかなか豪勢です。
 普段ならまだ夕方の時間帯ですが、明朝の出発が早いので、もう夕食です。
 食後、紅茶を飲みながらミーティングです。反省や明日のコース・スケジュールの打ち合わせがなされます。
 翌朝、暗いうちに起き出し、雑煮の朝食を済ませた後に出発。ようやく明るくなってきました。屏風岩にはガスがかかって、水墨画のような景色です。
 明け方小雨が降っていて、雨具・ザックカバーをつけてのスタートでしたが、横尾に着く頃にはすっかりあがっていました。トイレと給水を済ませて槍沢に向けて出発。
 緑の中、沢の流れと鳥のさえずりの音だけが響く中を進みます。
 横尾から約1時間で一ノ俣の橋を渡ります。
 澄んだ水の流れを左手に見ながら、進んでいきます。
 槍沢ロッジが見えてきました。ここまではたいした登りはありません。
 槍沢ロッジで3個100円のミニトマトを人数分仕入れて、テン場に向かいます。テン場まで40分程度かかります。
 ババ平のテン場に到着。
 目の前を山々が大きく取り巻いています。ここからはまだ槍ヶ岳は見えません。
 槍沢の流水冷やした「槍沢そうめん」です。山芋ときざみのり、ワサビも用意しました。
 空には珍しく彩雲が現れました。昔から彩雲は吉兆とされたようで、この山行についても縁起がいいことです。
 そうこうしていると、もう夕食の時間。今夜はまたまた1sのベーコンを使ったカレーライスと海草野菜サラダ。
 翌朝、いよいよ槍ヶ岳に向けてまだ暗いうちに出発しました。今日は水と昼食の道具、行動食、雨具のみを持ってのピストンです。蝶ヶ岳方面がうっすらと明るくなってきました。
 すっかり明るくなりました。今年はまだあたりに残雪が多いです。
 滝見台で朝食。この日の朝食は手軽に済ませられるよう、食パンに各種ジャムやペーストを塗っていただきます。
 滝見台から見る、対岸の滝。写真中央に一筋の流れが下の雪渓に向かって流れています。
 おっかなびっくり? 慎重に雪渓を渡って進みます。毎年、真夏の雪を経験できるのも山岳部ならでは。
 水沢を通り越し、道をぐるっと回り込むと、いきなり槍の穂先が顔を出します。
 歩き始めて3時間。坊主岩屋下の標識のところで一休み。
 槍の穂先のアップ。
 ここまで上ると蝶ヶ岳の稜線の延長線上に常念岳が見えてきました。
 槍ヶ岳の三角形を目指して進みます。すぐ近くに見えるのに、まだ1時間はかかりそうです。
 このあたりにはお花畑があちこちに広がっています。
 槍の穂先がだいぶ近づいてきました。もう少しです。
 ようやく槍ヶ岳山荘に到着。槍の肩にある立派な山荘です。
 山荘から見上げる槍の穂先。
 常念岳のきれいな形が中央に見えます。
 いよいよ槍の穂先にアタック開始。
 道を歩くのではなく、両手両足を使って、まさしく「登り」ます。
 我々が穂先に登っているときに、山荘への荷揚げでヘリコプターがやってきました。
 登り、下りは一方通行で、きちんとマーキングがなされています。また、要所要所に鎖やはしご、ホールドが設置されているので、ゆっくり落ち着いて登れば大丈夫です。
 でも、下をのぞくとこの通り。高低差があるので、かなりスリルを感じます。
 いよいよ山頂直下の垂直ばしご。下を見ないでしっかりつかまって、ただ歩を進めることだけを考えます。
 山頂に到着。山荘を真下に見下ろします。
 穂高に向かう縦走路方面の眺め。
 槍ヶ岳山頂での山頂校歌。山頂で一緒になった水戸一高のパーティと校歌を紹介し合いました。
 いわゆる「子槍」を山頂から見るとこんな眺めです。
 大空と山々の大パノラマを背景に記念撮影。このあと下山。
 山頂直下のはしごは下から見るとずいぶん斜めにかかっているように見えるのだけど、その場に行くと垂直に感じてしまいます。
 
 山肌を蟻のように這いながら進んでいく人々。山のスケールの大きさに対して、人間のちっぽけさがよくわかります。
 槍ヶ岳をあとにして、再び槍沢に向かいます。
 槍ヶ岳に初めて登った播隆上人(1786〜1840)が使用したとされる洞窟。昔の登山は信仰登山。槍ヶ岳の姿は神仏として人を引きつける力があるのはわかるような気がします。
 まだ昼前ですが、もうかなり雲が上空にあがってきました。朝のうちに槍の頂上に立ててよかったです。
 水沢で昼食。この日は水沢の水を使ってラーメンを作ります。
 昼食休憩のあと、1時間も行くと、ババ平のテン場が見えてきました。中央の赤い点が我々のテントです。
 大曲を越えて、道が河原のすぐ横の高さになってきました。テン場まであと少し。
 無事、「我が家」に到着。
 今夜の夕食はとり釜飯、みそ汁、漬け物です。
 槍沢の谷もそろそろ日が落ちようとしています。
 翌日、やはり暗いうちの朝食。野菜、ワカメ、高野豆腐の入った煮込みうどんです。北アルプスの朝は冷えるので、暖かい食べ物がちょうどいいのです。
 蝶ヶ岳の稜線に日が差してきました。今日はあそこまで登ります。
 横尾に到着。行きに今日以降の食材などを山荘にデポしておきました。荷物預かり料、1日につき300円也。
8月5日(火)
 新宿7:30→12:15(長距離バス「さわやか信州号」)(車中昼食)上高地13:00(2ピッチ) →15:30徳沢 幕場着 16:00夕食準備・17:30夕食・18:30ミーティング・20:00就寝(幕営) …夕食準備以降2日目を除き連日同様

8月6日(水)
 4:00起床・朝食・撤収・出発6:00(4ピッチ)→11:30槍沢ロッジ 幕場着・設営・昼食  昼食後、周辺散策 ※この日のみ15:00より夕食準備、19:00就寝(幕営)

8月7日(木)
 3:00起床・朝食・撤収・出発5:00(2ピッチ)→7:10天狗原分岐(3ピッチ)→10:00槍岳 山荘→10:40槍ヶ岳(3180m)→11:30槍岳山荘(昼食)12:30→15:30槍沢ロッジ(幕営)

8月8日(金)
4:00起床・朝食・撤収・出発6:00(2ピッチ)→8:00横尾(4ピッチ)→12:00蝶ヶ岳(2677m) →12:30蝶ヶ岳ヒュッテ 幕場着・設営・昼食・昼食後周辺散策(幕営)

8月9日(金)
4:00起床・ご来光・朝食・出発6:30(1ピッチ)→7:30蝶槍(ピストン)→8:30幕場 撤収・出発9:30(4ピッチ)→13:30徳沢 昼食(幕営)

8月10日(日)
6:00起床・朝食・8:00幕場出発(2ピッチ)→10:00上高地 入湯・散策・昼食 上高地発14:00(長距離バス「さわやか信州号」)→19:00新宿駅西口 新宿19:19→ 19:38錦糸町 →20:00頃 学校


いよいよ夏山合宿です。今年は部員たちに山のすばらしさや厳しさを味わってもらうため、北アルプスの名峰、槍ヶ岳と展望が素晴らしい蝶ヶ岳を計画しました。折しも今年は本校の大先輩、作家芥川龍之介が槍ヶ岳に初めて訪れたときから100年目ということで、芥川が歩いた槍沢の道を私たちも歩いてきました。

 

2008年度 夏合宿山行 北アルプス:槍ヶ岳・蝶ヶ岳(8月5日〜10日) No.1 

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