撮影機材の紹介
 山行の様子や風景を記録するためにカメラは必需品ですが、荷物の負担にならない、急な悪天候でも対処できる、など理想的な「山カメラ」を求めて機材も移り変わりました。
オリンパス
CAMEDIA C−3030ZOOM

単3電池4本駆動、記録媒体はスマートメディアという、今では化石のような仕様です。画素数は当時としては高画素だった314万画素。それでもA4サイズくらいまでなら結構いい絵が撮れました。液晶モニターの他にファインダーもあります。今のようにいろいろな機能てんこ盛りではありませんが、カメラとしての機能をきちんと押さえたものでした。オートフォーカスは弱く、歩きながらシャッターを切るとブレブレでした。
ペンタックス
istDS

発売当時、レンズ交換式一眼レフデジタルカメラではボディが世界最小・最軽量ということで、山カメラとして採用。山行中のレンズ交換は面倒だったり、カメラ内にほこりが入ったりするので、シグマの高倍率ズームをつけたら、最軽量のメリットはなくなりました。でも、思ったところでシャッターが切れて快適でした。高感度は弱く、少し暗くなるとノイズが目立ちました。結構活躍しましたが、そのうちこの大きさでも首に掛けて歩くのがおっくうになりました。
ペンタックス
Optio W20

山では雨に降られることを想定しなくてはならず、全天候型の防水カメラをサブカメラとして導入しました。雨天時と温泉場での撮影に活躍しました。レンズ部が伸び縮みすることはないので、カメラ内にゴミが入ったりすることなく、アウトドアでの使用は安心でした。今のアウトドア用のカメラより、デザインがすっきりしています。画素数は600万画素。35o換算で広角35oは問題ありませんでしたが、暗所には弱かったです。
リコー
GX200

一眼レフを持って行かなくても、高画質の絵が撮れるものとして導入。このサイズのカメラとしては、1/1.7インチという大きめのCCDが売りでした。晴れている時の山の風景や、リコーブルーと言われる空の青さは今でも秀逸。マクロも優秀で、高山植物の撮影には便利でした。よく使う撮影パターンを登録しておけるファンクションボタンも便利でした。しかし、オートフォーカスは弱く、ジー、ジーとよく迷いました。また、暗所も苦手でした。
キャノン
PowerShot S100

小さなボディに1/1.7インチの大きめCMOS、F2.0からの明るいレンズで暗所にも強いということで導入。このカメラは楽でした。起動は速いし、1回のセルフタイマーで3ショット撮れ、とても便利でした。常に首から提げていても、負担にならず、ずいぶん活躍しました。欠点をあげると、マクロが弱かったこと。高山植物をアップで写して、写りを確認するとボケていることがよくありました。あまりに酷使したので、センサーにほこりが入り、液晶にも不具合が出てきました。
ニコン
Nicon1 J1

1インチサイズのセンサーを持つ、ミラーレス1眼レフカメラ。オートフォーカスが速いです。隊列の後ろで歩きながらシャッターを切っても、まずブレません。APS−Cサイズのセンサーよりは小さいですが、望遠側で写せば背景もそこそこボケます。大きさも首から提げて山歩きをするのに堪えられる大きさです。撮影時にレンズキャップをいちいち外すのが面倒なのと、やはり突然の雨の時の対処が困ります。
ニコン
Nicon1 AW1

Nicon1の防水バージョン。これにシリコンのプロテクターを付けています。基本的な性能はJ1譲りで、ちょっと進歩しています。とにかく防水であることに安心感があります。突然の雨でも、顔から汗がしたたっても、雪の上に置いても気にすることはありません。泥が付いても洗い流せばOK。J1よりは一回り大きく、重くなっていますが、これは我慢しなければなりません。レンズの表面は保護ガラスになっているようですが、それをさらに保護するUVフィルターを付けています。雨に降られ続きであまりに湿気が多いと、そのフィルターが曇ります。
富士フイルム
FINEPIX F900EXR

メインカメラが防水カメラになったので、それまでサブカメラだったOptio W20が引退し、サブカメラの座に着くことになりました。オートフォーカスが速いことと20倍ズームが魅力です。EXRモードにしておけば、シャッターを押すだけで、誰でもほぼ失敗しない絵が撮れます。記録用のスナップカメラとしては十分です。
 本格的な山の写真を撮るために、重くても最良の機材を背負っていくという人を除き、山行のお供に持って行く理想の「山カメラ」をさがそうとすると、なかなか難しいものがあります。絶対条件としては防水・防塵の機能であること。次に、なるべく小型・軽量であること。そのうえで、出来るだけ高画質であること。早朝や夕方のシーンにも対処できるよう、レンズが明るいこと。さらに言えば、マクロに強いこと。これは高山植物撮影のためです。山の風景を撮るならズームは高倍率でなくてかまいませんが、雷鳥などを撮るときには、ある程度の倍率があると便利です。このように考えると、究極の1台というのは、なかなか無いようです。したがって、今のところは大変ですが、メインとサブのカメラを携行して、場合に応じて使い分けています。
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